周術期管理チーム認定試験【練習問題⑤ー12】

練習問題

周術期管理チーム認定試験の情報と、周術期管理チームテキスト第4版を参考にして作成しています。時代により解釈が変わり、正誤が変わる場合があります。

①削除

答え

()

関連情報:周術期管理チームテキスト第4版
周術期管理チーム認定試験2024年参考

②スポルディングの分類でクリティカルに分類されるものはどれか。 1つ

a 手術器材
b 呼吸回路
c 気管チューブ
d 消化器内視鏡
e 喉頭鏡ブレード

答え

(a)

  • ○a 手術器材
  • ×b 呼吸回路 →セミクリティカル
  • ×c 気管チューブ →セミクリティカル
  • ×d 消化器内視鏡 →セミクリティカル
  • ×e 喉頭鏡ブレード →セミクリティカル

クリティカル器具は、無菌組織や血管系に使用される器具である。

関連情報:周術期管理チームテキスト第4版 P225
周術期管理チーム認定試験2024年参考

③脊髄くも膜下麻酔について正しいのはどれか。 1つ

a 下腹部以下での手術が適応である。
b 出血傾向のある患者にも安全に実施できる。
c 静脈内投与用のシリンジで投薬が可能である。
d 頭蓋内圧が亢進している患者にも安全に実施できる。
e 術後鎮痛目的で持続脊髄くも膜下カテーテルを留置する。

答え

(a)

  • ○a 下腹部以下での手術が適応である。
  • ×b 出血傾向のある患者にも安全に実施できる。
    →絶対的禁忌
  • ×c 静脈内投与用のシリンジで投薬が可能である。
    通常25ゲージのQuincke針。27~29のゲージ針もあり。ペンシルポイント針が頭痛予防になる。
  • ×d 頭蓋内圧が亢進している患者にも安全に実施できる。
    →絶対的禁忌
  • ×e 術後鎮痛目的で持続脊髄くも膜下カテーテルを留置する。
    →術後鎮痛目的で留置するのは硬膜外麻酔

関連情報:周術期管理チームテキスト第4版 P285
周術期管理チーム認定試験2020年参考

④人工心肺について正しいのはどれか。 1つ

a 人工肺は気泡型肺が主流である。
b 循環停止を伴う場合は脳保護のための灌流を行う。
c 送血ポンプはペリスタルティック方式が主流である。
d 定常流の人工心肺中の酸素飽和度はパルスオキシメータで測定する。
e 開放型体外循環回路は活性化凝固時間 150~200 秒程度の抗凝固を行う。

答え

(b)

  • ×a 人工肺は気泡型肺が主流である。→膜型が主流
  • ○b 循環停止を伴う場合は脳保護のための灌流を行う。
  • ×c 送血ポンプはペリスタルティック方式が主流である。→遠心ローラー型
  • ×d 定常流の人工心肺中の酸素飽和度はパルスオキシメータで測定する。
    →人工心肺回路内で測定し、酸素飽和度モニターで観測する。
  • ×e 開放型体外循環回路は活性化凝固時間 150~200 秒程度の抗凝固を行う。
    →400~500秒以上。ヘパリンコーティングされた密閉型回路は150~200 秒程度。

周術期管理チームテキスト第4版 P677
周術期管理チーム認定試験2024年参考

次の文を読み,55~57 の問いに答えよ。

55 歳の男性。身長 165 cm,体重 85 kg。4 週間後に左人工膝関節全置換術を受けるため全身麻酔が申し込まれ,麻酔科術前外来を受診した。35 歳時に当院で手術を受けた際に全身麻酔で問題があり,手術を実施せず集中治療室に入室した。その後,改めて脊髄くも膜下麻酔で手術を行った既往がある。麻酔科術前外来受診時, 血圧 150/93 mmHg,心拍数 92/分。労作時呼吸困難はない。以前より高血圧のためβ 遮断薬と ACE 阻害薬を内服している。
35 歳時の中止となった手術の麻酔記録によると身長 165 cm,体重 65 kg,左足関節骨折のため,全身麻酔による骨折観血的整復術が予定されていた。また ASA-PS 2E と記載されている。麻酔導入時の用手換気にはエアウェイを要し,直視型喉頭鏡により気管挿管が行われている。Cormack-Lehane 分類でClass III であった。また全身麻酔時に使用された薬剤はプロポフォール,ベクロニウム,フェンタニル,フェニレフリン,ノルアドレナリン,アドレナリン,亜酸化窒素,セボフルランであった。気管挿管から 5 分後,気道内圧の上昇と難治性の低血圧が持続,前胸部の発赤の記載があった。

⑤前回全身麻酔後に集中治療室に入室した理由で考えられるものは何か。 1つ

a 困難気道
b 脂肪塞栓症
c 肺血栓塞栓症
d アナフィラキシーショック
e プロポフォール注入症候群

答え

(d)

  • ×a 困難気道
  • ×b 脂肪塞栓症
  • ×c 肺血栓塞栓症
  • ○d アナフィラキシーショック
  • ×e プロポフォール注入症候群

  • アナフィラキシーの診断基準 表3参照
    • 気管挿管から 5 分後
    • 気道内圧の上昇
    • 難治性の低血圧
    • 前胸部の発赤

周術期管理チームテキスト第4版 P602
周術期管理チーム認定試験2024年参考

⑥術前評価において優先度が高いのはどれか。 2つ

a 心臓超音波検査
b アレルギー検査
c 肺血管造影検査
d 冠動脈造影検査
e 甲状切痕―頤間距離の測定

答え

(b),(e)

  • ×a 心臓超音波検査
  • ○b アレルギー検査 →過去にアナフィラキシーショックを起こしているため
  • ×c 肺血管造影検査
  • ×d 冠動脈造影検査
  • ○e 甲状切痕―頤間距離の測定 →挿管困難と予想されるため。P268
  • ASA-PSとは、アメリカ麻酔科学会 (ASA) が定める全身状態分類 (Physical Status)
  • Cormack-Lehane分類は、直接喉頭展開で見た喉頭の見え方によって気管挿管の難易度を予測する分類法。Grade 3:声帯が見えない(挿管困難)

設問の読解力が必要とされる問題です。

周術期管理チームテキスト第4版 P784
周術期管理チーム認定試験2024年参考

⑦本症例の患者において最も注意すべき薬剤はどれか。 1つ

a ミダゾラム
b リドカイン
c ブピバカイン
d ロクロニウム
e オンダンセトロン

答え

(d)

  • ×a ミダゾラム
  • ×b リドカイン
  • ×c ブピバカイン
  • ○d ロクロニウム
  • ×e オンダンセトロン
  • 4 週間後に左人工膝関節全置換術を受けるため全身麻酔が申し込まれている
  • 人工膝関節全置換術でミダゾラム、 リドカイン、ブピバカインは使用されないと思われる。
  • PONVについてはオンダンセトロン(制吐薬)を使用しなくても対応できる。
  • 過去にベクロニウム(筋弛緩薬)が使用されている。アナフィラキシー被疑薬の一つ。また交差反応によりアナフィラキシーを発症する可能性もある。
  • 周術期のアナフィラキシーの原因として筋弛緩薬が50~70%を占める。P603

設問の読解力が必要とされる問題です。

周術期管理チームテキスト第4版 P264など
周術期管理チーム認定試験2024年参考

次の文を読み,58~60 の問いに答えよ。

42 歳の女性。身長 158 cm,体重 82 kg。
5 年前より過多月経があり貧血と子宮筋腫を指摘されており,鉄剤を内服していた。内服薬による貧血のコントロールが困難なため全身麻酔下に腹腔鏡下筋腫核出術を予定した。

内服薬:クエン酸第一鉄ナトリウム 100 mg/日,経口避妊薬(低用量ピル)
生活歴:機会飲酒,喫煙 10 本/日×10 年
検査所見:Hb 6.8 g/dL,Hct 21%,Plt 16.3 万/μL,PT-INR 1.08,APTT 28 秒,D ダイマー 0.2 μg/mL,CA125 20 U/mL

⑧経口避妊薬の術前休薬期間として正しいのはどれか。 1つ

a 1 日
b 3 日
c 7 日
d 14 日
e 28 日

答え

(e)

  • ×a 1 日
  • ×b 3 日
  • ×c 7 日
  • ×d 14 日
  • ○e 28 日

周術期管理チームテキスト第4版 P486
周術期管理チーム認定試験2024参考

⑨この患者の静脈血栓塞栓症の危険因子はどれか。1つ

a 年齢
b 女性
c 貧血
d 子宮筋腫
e 腹腔鏡手術

答え

(e)

  • ×a a 年齢
  • ×b 女性
  • ×c 貧血
  • ×d 子宮筋腫
  • ○e 腹腔鏡手術 →静脈血栓塞栓症(VET)リスク中

周術期管理チームテキスト第4版 P517 表2
周術期管理チーム認定試験2024年参考

⑩適切な経口避妊薬の休薬後に手術を行った。この患者の静脈血栓塞栓症リスクに基づいた推奨される予防法はどれか。1 つ

a 早期離床
b 早期離床+下肢圧迫法
c 早期離床+抗凝固療法
d 早期離床+抗凝固療法+下肢圧迫法
e 早期離床+抗凝固療法+下肢圧迫法+下大静脈フィルター留置

答え

(b)

  • ×a 早期離床
  • ○b 早期離床+下肢圧迫法
  • ×c 早期離床+抗凝固療法
  • ×d 早期離床+抗凝固療法+下肢圧迫法
  • ×e 早期離床+抗凝固療法+下肢圧迫法+下大静脈フィルター留置

周術期管理チームテキスト第4版 第4版 P517 表3
周術期管理チーム認定試験2024年参考

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